こんにちは、看護師のユウキと申します。
看護師の皆さんって、お給料どれくらいもらっていますか?他人のお給料って気になりませんか?
私は気になります。
看護師の給料って、かなり高いほうだと言われていますが実際はどうなのでしょうか?多職種に比べると、働き初めのころはよいけど給料の上り幅が小さいから、人生の後半になると追い抜かれていくという話を聞いた事がありませんか?
人生の後半のほうがお金のかかるライフイベントが多く、そこで他職種よりも苦労をする看護師は多いそうです。(余談ですが、ライフイベントというよりもライフステージという言葉のほうが、なじみがあるよという看護師は多いのではないでしょうか私も実習のレポートで何度も使った言葉です。)
こんなに大変な仕事をしているのに、ひどい!と思う方もいるかもしれません。
しかし、人生の前半で他職種よりもお給料が高いというのは、非常に大きなアドバンテージを持っていることになります。
投資をする人間にとっては、それはとても大きな意味を持っています。
記事内容は人生の後半に給料が高くなるよりも、人生の前半に給料が高い(他職種と比べて)看護師と投資の相性の良さについて述べています。
1.看護師の給料を調べてみる。世間では高いという事になっているが、実際はどうなのか。
2.看護師の年収と世間一般年収との比較
3.看護師の年収と他コメディカル(他医療職)との比較
4.投資の最強の味方は時間。若い時に高給与な看護師は他職種よりも時間を味方にしやすい。
5.若いときから高い給料のせいで、お金に無頓着な看護師が多いかもしれない
6.まとめ
世間一般からは看護師といえば、高収入のイメージがあるようです。
「看護師さんなの?じゃあ、お給料いいんでしょ」と、ここまでストレートな表現ではないにせよ
看護師=給料が高いというイメージをもって接せられることは多いと思います。
私も他の業界の友人からはよくそのような事を言われたりもします。
さて、実際にはどうなのでしょうか。
令和元年の「賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の平均総年収は483万円(平均年齢39.5歳)となっています。ちなみにこれは、手取りの額ではなく総支給額(税金差し引く前の額)です。
看護師の平均年収
年収 |
482万9100円 |
平均月収 |
33.4万円 |
賞与など |
81.6万円 |
平均年齢 |
39.5歳 |
令和元年賃金構造基本統計調査より
大体毎年同程度の水準で推移しており、わずかながら増加傾向にあるようです。
年によって看護師の年収相場が大きく変動する可能性は低いといえると思います。
ただしこれは、夜勤手当を含めた年収です。看護師の給与における夜勤手当のウェイトは大きく、年間40~60万円程度といわれていますが、幅ありすぎではないでしょうか?
気になったので正確なデータを調べてみました。
こちらは看護協会の調査の数字を使いました。
三交代制看護師の夜勤手当平均額
夜勤種別 |
平均手当額/回 |
平均回数/月 |
平均手当額/月 |
平均手当額/年 |
準夜勤 |
4,141円 |
3.8回 |
34,681円 |
416,172円 |
深夜勤 |
5,033円 |
3.8回 |
二交代制看護師の夜勤手当平均額
平均手当額/回 |
平均回数/月 |
平均手当額/月 |
平均手当額/年 |
11,026円 |
4.7回 |
51,822円 |
621,866円 |
調べて納得したのですが、2交代制と3交代制の違いのようですね。そもそも勤務形態の違いがあるため幅があるのも納得です。
二交代のほうが随分と夜勤手当が大きいなと感じましたが、三交代の夜勤回数は合計で7.6回分の勤務、2交代の場合は4.7回とありますがこれは一回の勤務が通常2勤務分なので9.4回分の勤務と考えると夜勤回数の多い分だけ2交代のほうが年間の手当が多いのもうなずける話です。
夜勤手当がなければ看護師の給料は430万円程度になると考えられますね。
寿命を削るといわれる夜勤込みでの年収が480万円で、夜勤なしだと430万円です。
これは、高いといってよいでしょうか?
これだけでは判断がつかないので比較をして、考えてみましょう。
まずは、他の医療職と比べると年収はどうなのでしょうか。
細かい数字を追うのが、ちょっと面倒になってきたので、調べているところがないか探してみました。
「平成20 年 職種別民間給与実態調査」人事院より
中々見つからず、少し古いデータなのですが、職種別民間給与実態調査(平成20年)のデータをグラフにしたものがありました。
グラフの赤い部分が看護師です。
看護師の給料は前半30代半ばまではこの職種の中では一番高いものの、後半(というか実際は中盤)から伸び悩んで、どんどん他職種に追い抜かれていくことがわかります。
ちょっとショックですね。看護師の給与は前半高いものの、人生の後半になると他の医療職に追い抜かれてしまう事がわかりました。
では、次に世間一般の職種との比較を行ってみたいと思います。
2019年「賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収が483(正確には482万9100円ですが、アバウトに表記させてください)万円である一方、全職種の平均年収は501万円という事です。差額は18万円ですね。
全職種と比べると看護師の年収は、高いどころかむしろ平均をやや下回る程度といえます。
命を預かる大変な仕事、高給与といわれる我々ですが実態は少し違うように思われます。
さて、先ほどの看護師と医療職の給料を比較したグラフでは、前半に多職種よりも高く後半には追い抜かされているという傾向がありました。
一般の職種と比べるとどうなのでしょうか?
これも賃金構造基本計画調査から比較グラフが見つかりましたので見ていきましょう。
やはり、30代前半までは看護職の給与が高いようです。しかし、30代中盤で並ばれたその後は、徐々に差がつけられてしまいます。
これは、原因の一つに結婚、出産、育児などのライフイベントでキャリア中断を余儀なくされるのが現実的には女性である事が考えられると思います。
また、女性のみの全職種のデータを見てみると圧倒的に低いことがわかります。看護職と女性の全職種を比べるとどの年代でも常に100万円程度看護職のほうが、圧倒的に年収が高いことがわかります。
一度何らかの理由でキャリアを中断しても大きな年収の落ち込みなく、仕事に復帰できる。不況にも強く仕事にあぶれることがないという点を考えると、そこそこ納得できる金額でしょうか。
という事がわかりました。
前の記事で、長く投資期間を得ることでリスクを最大限まで下げつつリターンを得ることができる事を述べました。ものすごくざっくり言うと150年の長期で投資を行っていれば10万円が3300万円もの大金になる!330倍というちょっと考えられないような話でした。上がったり下がったりする相場ですが、長期でみると右肩上がりになっているのがわかるグラフも載せていました。
投資における時間の重要さがわかるグラフですね。
S&P500の150年チャート
さて、看護師の給料は若い時には他職種と比べて高いことはわかりました。
そして、投資の一番大事な事の一つは時間を味方につける事です。これは、個人的にも一番強く思うことですし、ここ以外でもあらゆるところで言及されていることです。
看護師×投資が非常に相性が良いのは、この時間を味方につけることができるからです。
若い時にお金に余裕がある看護師(他職種と比べて)は、その余裕の分だけ投資にまわせるという事です。
イメージとしては大体2~4万円ほど多い印象だったのですが、改めてどれくらいの差があるのかなと看護師と全職種の平均年収の比較グラフをみて比べてみました。ざっくりで80~100万円の年収の違いがあるのがわかります。これは、月にならすと6~8万円になりますね。思っていたよりもすごい差かもしれません。
他の人より、給料が多い分を投資に回すだけで物凄く高い効果が得られます。
基本的に投資は将来に向けたものであり、老後に使うものと考えると25歳で投資をはじめるとすると60歳まで投資を続けるのであれば投資期間は35年になります。
株式の平均リターンが6.5%であると言われています(米国200年間を追跡した結果)。そこで、35年間の株式投資が平均値で推移したと仮定して計算してみましょう。
投資額は余裕がある分の半分で3~4万円で考えてみましょう。
12か月でおおよそ40万円(3.5×12=42≒40として)を年間投資したとして、35年では…
『40万円→360万円』(35年投資、6.5%複利計算にて)
およそ9倍です。正直やばいです!こんなに増えるだなんてちょっと想像ができませんね。にわかには信じられない数字です。
私が投資をはじめたのは30代半ばを過ぎてからなのでここまで長い投資期間を持てません。その為、20代からはじめられる方に対してはちょっと羨ましいというか妬ましい気持ちもあります。
ちなみに20年後の数字も出してみました。
『40万円→140万円』(20年投資、6.5%複利計算にて)
十分ではないでしょうか?他職種に追い抜かれた年収を補って余りあるリターンが出ています。
さて、記事の前半で人生の後半で給料が伸びないなんて損だ!と思った方も多いかもしれませんが、この結果をみるとどうでしょうか?人生の前半で投資にお金を回すことのできる余裕のある看護師は非常に投資と相性が良く、またトータルで考えるともの凄く得なのです。(投資をした場合ですが)
看護師は金遣いが荒い?
ズバリ、私見で答えさせて頂きましょう、荒いです!
まあ、そうは言ってもすべての看護師のお金遣いが荒いわけではありません。私の単なる個人的な感想であって、自分が知っている限りではそう感じるという事です。
世間の女性と比べると看護師はお金のつかい方はかなりおおざっぱだという印象があります。
なぜでしょうか?
それとなーく、同僚や同期の看護師に聞いてみたところ。
大体、20人近くに聞いたところですが、多少の表現の違いはありますが、大体こんなところでしょうか。
そして、ほとんどの方が声を揃えて言うのが「お金がないわけではないから」という言葉です。
やはり、看護師はある程度お金にある程度余裕がある人が多いからのようです。先ほども述べたように若い時から月にならして4~8万円も給料が多いとそういう感覚になってしまっても不思議ではないと思います。
ですが、ここでちょっとだけ我慢して他の職種よりも余裕のある半分でよいので投資に回してみることを考えてみてください。
・看護師の給与は人生の前半では高い
・看護師の給与は後半伸び悩み、他職種に追い抜かれてしまう傾向にある
・全年代でも平均的な女性の年収より約100万円は高い
・若い時に余裕のある分を投資に回すと、年収の差が気にならないレベルのリターンが出る。
・贅沢する分をちょっとだけ投資にまわしてみよう。
※2020年の看護職と全職種の平均年収は逆転しており、全職種487万円、看護職491万円となっているとのことです。これは、新型コロナウイルスの影響により、全職種の残業時間の減少や給料カットなどが原因ではないかと言われています。例外的なデータであると考え、今回は2020年のデータを使用しませんでした。また、このデータから看護職が不況に強いというのも改めて感じることができますね。
※コメディカルの給与に関しては、調べる年代で実は結構な違いがあるようです。特に理学療法士のデータでは非常に人材が少なかった時の世代は高給与であり、現在飽和しているといわれているPTは特にグラフ通りに年収が上昇していくかはわからないと言われております。