2021.8.24
将来の備え

看護師の私が4年半で500万円貯金できた理由

自己紹介

今年で看護師歴6年目になります、まりあんぬです。以前は総合病院に常勤として勤めていましたが、現在は産婦人科のクリニックでパートをしています。いつ仕事を辞めても大丈夫なように、新人時代からお金の貯め方使い方を考えながら過ごしていました。

最近では30歳までに1000万円を貯金することを目標にする人が話題になっています。老後2000万円問題が出てから危機感を抱いた人もいるのではないでしょうか。ところが看護師は同年代の他職業の人に比べてお給料は良い方なのに、意外と貯金がほとんどないという話を聞きます。

ここでは、私が新人時代から4年半かけてどのようにして500万円貯金できたかをお伝えしていきます。最後の章ではストレスを少なく貯金を進めていくために、気持ちよくお金を使うための私なりの考え方もお伝えしていきます。

お金について父から言われた言葉

看護師として働き始める前から、父より3つの言葉を常に言われていました。学生時代アルバイトで小金を稼いで趣味に使いながらなんとなく10万円貯金していた私は、当時この考え方について「お金は自然と貯まるから大丈夫、大丈夫」と思っていました。しかし、今ならその言葉の意味がとてもよくわかります。

・「人生の運転資金としてまず500万円は貯金しなさい」

病気になったときはもちろん、ふと自分が何か新しいことを始めたいと思ったときに手元にお金がないとすぐに行動に移すことができません。事実、私は貯金があったからこそ、転職をしてのんびり仕事をしながら趣味も楽しめる環境を作ることができました。

・「絶対に天引きを利用しなさい」

いつでも引き出すことができるお金があると、「まだお金があるから」と散財しやすいです。ですので、銀行の財形貯蓄など貯蓄用の口座に給与を振り分け天引きされる制度を利用すると良いでしょう。私はお金を引き出すために紙ベースの申請書提出が必要な銀行を選びました。また、「ボーナスも全部天引き!ボーナスは無いものだと思え」とも言われましたが、さすがにそこまでしてしまっては楽しみが減ってしまいます。後で紹介しますが、ボーナスの約半分は使えるように調整していました。

・「お金が足りなくてもなんとかなる!」

天引きを使っていると、お給料の変動があったときに予定よりも使えるお金が少なくなる場合があります。それでも「天引き口座からは引き出すことができない」→「残っている分でなんとか乗り切ろう」と工夫ができるようになります。

貯金するなら住まいは実家か病院の寮

・家賃は貯金の天敵!

都内でお部屋を借りるとなると、差はあるかと思いますがワンルームでも5万円近くかかります。手取り20万円あったとしても、その4分の1が家賃に消えていく。新人のうちは休みの日以外はほとんど寝食するためだけの部屋に5万円もかけるのであれば、外に出て美味しいものを食べたいですよね。

・病院の敷地内の寮一択だった理由

とはいえ、実家から通うというのは恵まれた条件の方しかいないと思います。そこで勤務先に寮がある場合には、積極的に利用することをお勧めします。私が勤めていた病院は東京23区内にあり、お買い物はもちろん、研修会へのアクセスが抜群に良かったです。そして病院の敷地内・外に寮があり、どちらも月1万円前後入居できました。「毎日を病院の近くで過ごすなんて無理!」と思う人は多いかもしれません。しかし敷地外の借上げマンションでも結局は同僚と鉢合わせる可能性もありますし、通勤時間が勿体ないです。新人の頃は慣れない環境と緊張感で精神的・肉体的にも辛いはずです。通勤時間が30分以内でも、その30分をベッドに横になって過ごせた方が有意義だと考えました。

「看護師は高給取り」はまやかし

・夜勤に入れるまでは少ない

よく「看護師は高給取り」と言われますが、それには理由があります。わかりきっていることかもしれませんが、夜勤手当ありきのお給料なのです。20代看護師の収入のうちおよそ10万円は夜勤手当にあたります。夜勤に入れない新人のうちの最初の数か月間は手取りが20万円もありません。

・お給料表の見方を学ぶ

幸い、私が勤めていた病院では組合が新人向けにお給料表の見方講座(もちろん無料)を開いていました。印字されている収入と実際に口座に入るお金に10万円近く差があったので、「私のお金はどこに行ったの?」と疑問で仕方がありませんでした。基本給はわかりますが、それ以外の手当や何がどこまで控除されるのかなど、さっぱりわかりませんでした。講座を受けたことで基本給の等級や夜勤・特別手当の種類はもちろん、税金がどのくらい引かれているのかを知りました。確かに収入は多いですが、その分税金もかなり引かれてしまうので「自分は高給取り」と思うのは危険な考え方だと学びました。

貯金の目標を決める方法

・貯金の目的は何?

何事にも目的がなければ長続きしません。特に、100万円を超えたあたりから桁が変わった達成感で気が緩み、ついつい散財しやすくなります。私も気が緩みそうになりましたが、「何があっても大丈夫なように、人生の運転資金を貯める!」という明確な目標を決めていましたので、毎月増えていく通帳を眺めながらグッとこらえました。

・高価なモノも目標にする

目に見えない目標だけでは挫折しやすいです。私は「働いたら○○ブランドのお財布と洋服を、余裕を持って買うんだ!」と入職時から決めていました。この時、すぐに購入するのではなく「余裕を持って」というところがポイントです。ボーナスで買うのではなく、生活費からお金を出して購入できるよう購入できるのが理想的です。

お金が自然と貯まる仕組みを作ろう

口座は3種類用意せよ

・貯蓄口座

3年間で100万円を貯められる定期預金口座と、労働金庫の口座を作成しました。こういった定期預金では貯めている期間の間は自由にお金を引き出すことができないので、次に説明する非常時用口座が必要になります。

・非常時用口座

冠婚葬祭や学会費など急にまとまった出費が必要となったときに備えて、非常時用の口座を設定しました。こちらは「基本的に引き出しをしない」と決めて、その約束を守るためなるべく近くにATMもなく、引き出しが難しい銀行を選びました。

・生活費口座

天引き用、ボーナス用口座から余った分が振り込まれます。クレジットカードの引き落としもこちらに集約してすべての生活費を賄っていました。月1-2回ほど現金が必要となる医療費や飲食代を払うために引き出すこともありましたが月2万円がMAXでした。

参考までに、私の各口座への入金額を表にまとめてみました。

口座

毎月の入金額

ボーナス時入金額

貯蓄口座

52800

5万円

非常時用口座

7万円

20万円

生活費口座

10万円

20万円

クレジットカードの設定

現金派の方も多いかと思いますが、実は使用頻度の高いクレジットカードの設定もお金を貯めやすい仕組みづくりには欠かせません。

・現金払いよりクレカが良い点

 ポイントが貯まる

通信費などインフラ関係の支払いをすべてクレジットカード払いにすることでポイントが貯まりやすいしくみづくりをしました。月に数百円分ですが、毎月の手間もなく貯まっていくので気が付いたら数千円分になっていることもよくありました。またカード会社によっては利用金額に応じてボーナスポイントが付きます。スーパーや百貨店などでポイント還元率の高さに惹かれてあちこちでクレジットカードを作るよりも、12枚に絞って使うことをお勧めします。ちなみに私はエポスカードを愛用していました。

そしてそのポイントの使い道はネットで日用品の注文です。特にトイレットペーパーや洗剤類は購入頻度が高い上に大変・重い・嵩張る、の3拍子揃っているので断然ネットでまとめて注文していました。

   家計簿をつけなくて済む

正直、新人で自分の生活で精いっぱいな中、お金のことを考える余裕なんてありません。ましてや家計簿アプリにいちいちレシートを見て入力する時間があったら早く寝たいくらいでした。クレジットカード払いであれば自動的に利用明細が作成されるので、時間が空いた時にネットで見返せば家計簿代わりになります。

・クレジットカードやキャッシュレス決済のワナ

今はキャッシュレス決済がかなり広まって、利用している人も多いと思います。しかし、クレジットカードもキャッシュレス決済は、実際に現金が使われていく感覚が全くありません。そのため、ついつい使いすぎる傾向にあります。またキャンペーンに乗せられてコンビニやネット通販等で余計なものや緊急性の低いものを買ってしまう可能性が高いです。特に交通系ICカード系の自動チャージ機能は油断禁物です。

「お金はまわりもの」という考え方

先ほどの章で目的を持って貯金をすることをお伝えしましたが、自分ばかりお金を貯めていてはいつか虚しさを感じる時が来ます。自分のお金の使い方に余裕が出てきたら、お金を気持ちよく使うことにも焦点を当ててみたいと思います。少し精神論的な印象を受けるかもしれませんが、お金を他者のために使う、ということは最終的に自分の幸せな気持ちに戻ってきます。

・ふるさと納税を活用する

実質2000円でいろいろな地域の特産品をもらえる点がフォーカスされがちですが、私は地域貢献ができることに注目したいと思います。ふるさと納税では税金を納める先を自分で選ぶことで、地域貢献につながります。とくに今はコロナ禍のため直接旅行に行ってお土産を買いにくいですが、ふるさと納税でも地域経済をまわしている実感があるのではないでしょうか。

・友達に手紙や贈り物を送る

一人暮らしをしていると、ポストに入ってくるのは全く興味のないチラシばかりでもそんな中に「友達からのお手紙が入っているかも」思うと、家に帰るのがちょっとだけ楽しみになりませんか。

私の学生時代の友人の中に、SNSはもちろん手紙や贈り物でやりとりをする人たちがいます。最初は「送料までかけて送らなくても、LINEの方が安くて簡単なのになんで送ってくれるのだろう」と思いました。しかしだんだん「私のためにこんなに手間暇をかけてくれて嬉しい!」という気持ちが大きくなりました。手紙に楽しいイラストを添える、ご当地の絵葉書や切手を使うなど、毎回細かいところにその人なりのこだわりがあってとても楽しいのです。そしてそのうち、この嬉しい・癒された気持ちを、また誰かと共有したいと思うようになりました。

・夜勤メンバーに差し入れ

自分が食べる分美味しいお菓子や紅茶があると心も休まりますし、何より会話が弾みます。もし差し入れするとしたら、季節限定のものが良いと思います。「先輩たちは自分よりもお給料がいいから、こんなモノ差し入れても嬉しくないかな」と思わなくて大丈夫です。お互いをねぎらう気持ちが大事なのです。

最後に

とにかく忙しい看護師は、貯金を無理なく続けられる仕組みづくりが大切です。最後の章は貯金とはずれてしまいましたが、ストレスなく貯金できることで仕事にも集中できます。ぜひ、これから貯金を考えている看護師の方の参考になれば嬉しいです。

NEXT 貯金だけじゃダメなの?
PREV 資産形成ってよく聞くけど、本当に必要なの?