2020.11.27
将来の備え

コロナで注目集めた「看護師の副業」年末調整や確定申告の基礎知識


著者:木崎涼
大手税理士法人で多数の資産家の財務コンサルティングを経験。ファイナンシャルプランナー、M&Aシニアエキスパートの資格を持ちながら、執筆業を中心に幅広く活動している。


新型コロナウイルスの影響で、副業を始める看護師が増加しました。副業の収入によっては、確定申告をしなければなりません。

この記事では、年末調整や確定申告について、基本的な知識をわかりやすく解説します。確定申告の義務がなくても、確定申告をすると税金が還付されることもあるので、副業を始めた看護師はぜひ読んでみてください。

看護師の副業が増加!確定申告とは?

新型コロナウイルスの影響で、経営が悪化した病院も少なくありません。経営が悪化すると、人件費にも影響が出ます。2020年の夏には、看護師のボーナスカットが大きく注目を集めました。今、病院側の減給やボーナスカットを受けて、副業を始める看護師が増えてきています。

副業をしたら、確定申告をしなければならない――。何となくそう認識していても、具体的にどうすればいいかわからないという看護師は多いのではないでしょうか?

まず、確定申告の意味を簡単に解説します。確定申告とは、1年間の所得にかかる税金を計算し、納税者自身が申告・納税する手続きのことです。

通常は、確定申告に代わって、勤め先が税金を計算してくれます。これが年末調整です。

12月になると、扶養控除申告書などの書類を病院側に提出しますよね。1ヵ所から給与を受け取っている場合、病院側が収入のすべてを把握しています。そのため、年末調整で病院側が税金を計算し、代わりに納税まですませてくれます。

しかし、収入が複数ある場合、複数の収入を合算して税金を計算しなければなりません。これが確定申告であり、納税者自身に手続きの義務があります。

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確定申告が必要な人とした方が得する人

収入が複数あっても、少額なら、確定申告は必要ないケースがあります。どのくらいの収入があると、確定申告が必要になるのでしょう?

続いては、確定申告の義務がある人と、確定申告の義務はなくても確定申告すると得する人をそれぞれ紹介します。

自分に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。

確定申告する必要がある人

確定申告の義務があるのは、次のような人です。

  • 副業の給与収入が20万円を超える人。
  • 副業の所得(収入から経費を差し引いた金額)が20万円を超える人。
  • 不動産投資で黒字が出た人。

まず、副業の収入が給与か、給与ではないかに注目してください。

給与の場合、勤め先から給与明細を受け取ります。また、年末には源泉徴収票が発行されます。副業が給与なら、額面が20万円を超えた時点で確定申告が必要になります。

一方、ハンドメイド作品を販売している場合や、クラウドソーシングサイトを利用して収入を得た場合などは、給与には該当しません。

この場合、売上から、ハンドメイド作品の材料費や、クラウドソーシングサイトで仕事をするための備品代といった経費を差し引き、所得を計算します。所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。

不動産投資をしている場合も、売上(家賃収入)から経費(管理費や火災保険料等)を差し引いて、所得を計算します。不動産所得の場合、黒字であれば、確定申告が必要です。また、物件を売却して売却益が出た(購入時より高く売れた)時も、確定申告をしなければなりません。

このほかにも、年収が2,000万円を超える人や、一般口座で株式投資をして利益が出た人、FXや仮想通貨で利益が出た人なども、確定申告が必要である可能性が高いです。不安な場合は、税務署に電話して相談してみると安心です。

確定申告した方が得する人

確定申告の義務がなくても、次のような人は、確定申告をすると得をするケースがあります。

  • 副業で源泉徴収されている人。
  • 年の途中で退職し、再就職していない人。
  • 医療費が本人・家族を含めて年間10万円を超える人。
  • スイッチOCT医薬品の購入金額が本人・家族を含めて年間1万2,000円を超える人。
  • 6ヵ所以上の自治体にふるさと納税をした人。

副業で源泉徴収されている人は、確定申告をすることで、税金が還付される可能性があります。源泉徴収とは、所得税の天引きのことです。給与明細やクラウドソーシングの明細を見て、源泉徴収として天引きされている所得税がないか確認しましょう。

源泉徴収されているからといって、必ず還付されるとは限りません。ただし、確定申告で税金を計算し、天引き額が計算結果を上回る時は、差額が還付されます。

また、途中で退職し、新しい勤め先で勤務していない人もお得になる可能性があります。再就職していないと、年末調整も受けられません。生命保険料の控除なども、確定申告で手続きする必要があります。

さらに、医療費が本人・家族を含めて年間10万円を超えると、10万円を超えた分を所得から差し引けます。医療費には、通院のための交通費や治療のための市販薬も含めることができます。

市販薬の購入金額が年間1万2,000円を超えた時も、超えた分を所得から控除できます。ただし、健康診断や予防接種を受けているといった要件があるため、注意しましょう。また、医療費控除とどちらか一方しか適用できません。

その他、6ヶ所以上にふるさと納税をした人も、確定申告によって税金が還付される可能性があります。

副業を勤め先に把握されない方法は?注意点も解説

副業をしていることを勤務先がわかる理由は、天引きされる住民税の金額です。住民税は1年間の所得によって決まり、勤務先に住民税の決定通知書が送られます。勤務先の給与に対して住民税が割高だと、見る人が見れば「副業をしているのでは?」とわかります。

住民税を納める方法には、給与から天引きされる「特別徴収」と、自宅に納付書が届き自分で納める「普通徴収」の2つがあります。確定申告の時に「普通徴収」を選択すれば、自宅に納付書が届くため、職場に住民税が知られてしまうのを防げます。

ただし、自治体は未払いを防ぐために「特別徴収」を推奨しているため、「普通徴収」が認められないことも少なくありません。勤務先の就業規則を確認してから副業を始めることが大切です。

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