2021.4.12
特集

【現役看護師 / 取材記事vol.2】新型コロナ現場の声

コロナウイルスによる感染症拡大により、私たちの生活は大きく変化致しました。中でも医療の現場では、現在も緊迫した状況が続いており、リアルタイムで病院全体の感染対策や組織構築などが行われています。

「夜勤帰りのタクシー乗車を拒否された。」
「家族が身の狭くなる思いをしている。」など、医療職に対して世間の目が厳しくなったこともあるかと思います。

今回MediLifeでは、現場で働く看護師の方々のリアルな話を伺い、精神面・経済面・私生活の3つの観点から生活の変化について伺っていきます。

他の看護師さんがどのような気持ちを抱きつつ仕事しているのか、他の病院の現状は一体どうなっているのかなど、参考にしていただけましたら幸いです。

今回の取材させて頂いた方、aikaさんになります。aikaは現在臨床経験3年目でコロナ病棟への配属となりました。

医療系ライターけいた

本日はインタビューにご対応いただきありがとうございます。早速ですが、コロナによる心境の変化についてお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

aika

いえ、こちらこそありがとうございます。そうですね。心境の変化といえば、私の病院では結構重症のコロナ患者がいて、普段はなかなか使われない人工呼吸器やシリンジポンプや輸液ポンプがたくさんついていたり、医療機器が全台数使われているような状況で、一般病棟では考えられない状況になっており衝撃を受けました。

医療系ライターけいた

そうだったんですね。aikaさんは最初からコロナ病棟への配属だったんでしょうか。何か移行調査のようなものはありましたか?

aika

私が働いている病院では、昨年2020年1月ごろにアンケートがありました。「持病があるかどうか」と「コロナの病棟に行きたいか、行きたくないか、どちらでも良いか。」と言う形でしたね。危険手当がつくので「行きたい。」と答える方も一定数いると聞きました。  原則臨床経験5年目以下の看護師はコロナの病棟には行かないという注意書きも書いてあって、感染病棟におけるスタッフへの配慮や仕事経験での業務効率も検討されている印象でした。

医療系ライターけいた

そうだったんですね。その中でaikaさんは臨床経験3年目ですが抜擢されたわけですね。

aika

そうですね。アンケートには「どちらでも良い。」と記載したんですが、当時働いていた病棟からの異動にも興味があったので、今回の配属は私の中でプラスに働いています。

医療系ライターけいた

コロナ病棟への配属が決まった時の不安は強くなかったですか?

aika

不安な気持ちは正直なくて、異動が決まってちょっと楽しみな気持ちの方が大きかったですね。コロナ病棟の配属が決まった時は、急遽病院からの電話があって、看護師長に「ありがとうございます!」って元気よく返事をした記憶があります。

医療系ライターけいた

そうだったんですね。異動してから実際の現場を見ていかがでしたか?

aika

現場では一般病棟に比べると受け持ちの人数が少なく感じて仕事をしていました。一般病棟では全体で50人近くの人数を見るのですが、コロナ病棟では最初5人程度で、重症患者はいたんですが、患者数に波があり1日4人の入院がある日もありましたね。  その中で呼吸状態が悪化していく方もいて、その時にコロナの症状に対して強い恐怖心を抱いたこともあります。  仕事を行っている上では、先輩看護師がすぐにフォローに入ってくれたり、アドバイスを頂いたりできるので働きやすさを感じています。

医療系ライターけいた

現場の壮絶さが伝わってきますね。仕事についてのフォロー体制は臨床3年目のaikaさんにとってとても嬉しいですね。  続いて経済的な変化についてお聞きしていきたいんですが、何か変化はありましたでしょうか。

aika

経済的な部分では、年収で見ると1割くらいカットされてしまいました。私の勤めている病院は公立の病院で、立ち位置としては公務員と同じらしいんです。なので周りの年収が下がっているから、私たちの病院でも年収が下がるような仕組みで、減給されるのは辛いなと感じています。

医療系ライターけいた

そんなこともあるのですね。周りに合わせて減給はちょっと悔しいというか、辛いですね。 私生活面の変化はありますでしょうか?

aika

コロナ対応していることで、相手に気を使うことが多くなって、会いたい人にも会えない状況になっています。  コロナウイルスが流行する前は、友人と会うことが多かったんですが、外出することが減って、一人の時間が確実に増えましたね。ですが個人的には一人の時間も気に入っていて、新しいことを始めたり自分を見直すことができたり、結構充実した毎日になっています。

医療系ライターけいた

やはり外出する上で、自由に動くことは制限をかけざるおえないですよね。その中でも一人の時間を充実させて新しい生活をしているところはとても素敵です。  何か世間からきつい言葉を投げかけられたことなどはありませんか?

aika

私の場合はきつい言葉ではなく、「ありがとう」と言われることが多くなりましたね。「現場でコロナと戦ってくれてありがとう。」や「今日もお疲れ様、いつもありがとうね。」とSNSにコメントやメールをくれる方が多くて、世の中は暖かいなって思います。

医療系ライターけいた

素敵ですね。そういった言葉を掛けてくれると、毎日の仕事にも勇敢に立ち向かっていけますね。  最後になりますが、このメディアをみている看護師さんへ何か応援メッセージなどいただけますでしょうか。

aika

そうですね。私の考え方になってしまうんですが、「今」は永遠には続かないんですよね。仕事は生きていく中の1つのツールでしかないと考えていて、このコロナの状況も「自分を磨いてくれている出来事」のように思っています。  なので、今現場で働いている看護師さんにとって、今回のコロナウイルス流行は、人生においてとてもプラスだと捉えて、この機会をバネにして魅力的な自分に成長させていくように考えて欲しいなって思います。

医療系ライターけいた

ありがとうございます。そうですよね、今回のコロナウイルスの流行は本当に辛い部分も多いからこそ、今後の生きていく糧と言うか、バネと言うか、貴重な1つの経験として今後の人生に活かせるようにすると良いですよね。  本日はお時間いただき本当にありがとうございました。

まとめ

以上がインタビューの内容になります。いかがでしたでしょうか?最前線で働く看護師さんですが、まずはあなたの健康を第一に考え感染対策を徹底しつつ生活していきましょう。コロナウイルスの状況は永遠に続くわけではありません。いつか終息して元の生活に戻ります。
医療の最前線で活躍しているみなさんに本日も感謝を申し上げつつ、明日からも未来に向けて1つ1つ取り組んでいいきましょう。

それではまた。

ライター

こんにちは、医療系ライターのけいたです。(Twitter:https://twitter.com/keita_lfu/ )普段はwebクリエイターとしてweb関連のあらゆることを担当し活動しております。また、hospassというメディアを制作しており、医療職の多様性についてもお届けしております。

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