ボーナスの支給日を基準に退職時期を決める看護師も多いのではないでしょうか?しかし、退職を伝えるタイミングによって、受け取れるボーナスの金額に影響が出てしまうことがあります。今回は、ボーナスと退職時期について解説します。退職前に考えておくべきお金の話も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
退職しようと思ったら、退職時期を決めて、職場に伝える必要があります。ボーナス支給月に退職しようと考え、その1~3ヵ月前に職場に伝えようと考える看護師も多いのではないでしょうか。
しかし、ボーナス支給前に退職の意向を伝えると、ボーナスが減額されてしまうリスクがあります。職場や業績によっては、ボーナスを受け取れないケースも。
実は、給与と違って、ボーナスには雇い主側の支払義務はありません。ボーナスは雇い主が任意で支払うもので、支払うかどうか、いくら支払うかという決定権は、雇い主にあります。
給与は、雇用契約の内容に従い、働いた時間に応じて支払われるものです。給与の未払いや減額は違法となるため、退職の意向を伝えたとしても、給与の金額が変わることはありません。
退職するとなると、雇い主によっては「できるだけ人件費を抑えたい」という考えがわきます。その結果、ボーナスが減額されたり、支給されなかったりする可能性があります。
このような事態を避けたいなら、ボーナス支給月に退職する予定で動くのではなく、ボーナス支給後に退職の意向を伝え、退職日を調整するようにしましょう。
もちろん雇い主の人柄によっては、ボーナスをこれまで通り支払ってくれて、退職金や退職手当まで用意してくれるというケースもあります。雇い主の人柄やこれまでの関係性を踏まえて、退職についていつ伝えるかを決めてください。
すでに退職の時期を伝えてしまったという人は、ボーナスが減額されないか不安ですよね。先ほども説明した通り、ボーナスは原則として雇い主が自由に決められるため、今から手立てを考えるのは難しいといえます。
しかし、退職前のボーナスを極端に減額することについて、退職予定者が企業を訴えたという判例があります。その判例では、極端な減額は理にかなっていないという理由で、退職予定者のボーナスの減額は2割程度までしか認められませんでした。
あくまで判例であり、法律で2割と定められているわけではありませんが、1つの目安になると考えられます。もし、あまりにもボーナスが減額されていた場合、雇い主に申し出るという選択肢があります。
看護師は専門職であり、社会的な信用力の高い職業です。勤続年数が長い場合、信用力はさらに高まります。信用力が高いとクレジットカードの審査に通りやすかったり、銀行から融資を受けやすかったり、融資を受ける際の金利が優遇されたり、さまざまなメリットを享受できます。
退職することは、長年積み上げてきた「信用力」をリセットすることにつながります。転職したとしても、「勤続年数の長さ」という属性は、簡単には手に入りません。
そのため、退職を考え始めたら、住宅ローンや不動産投資ローンなどの融資の必要性について検討しておきましょう。融資を受けるなら、在職中が圧倒的に有利だからです。
在職中に住宅ローンを組み、金利が優遇されれば、今後数十年間の負担を減らすことができます。不動産投資ローンを借りて不動産投資を始めれば、退職後、返済額を差し引いた家賃収入は不労所得になります。
退職後、いざ「住宅を購入しよう」「不動産投資を始めてみたい」と思った時、有利な条件で融資を受けられないのはもったいないことです。配偶者と今後のライフプランについて話し合ったり、老後に向けた資産形成の目標を立てたりして、必要があれば在職中にローンを組むことを検討してみてください。
退職時には、報告のタイミングなど決めることが多く、引き継ぎや各種手続きに追われてしまい、お金のことまで考える余裕がないという方もいるでしょう。しかし、退職して落ち着いてみると「今思えば、もらえるものはもらっておけばよかった」と後悔することも少なくありません。
退職時期についてもお金についてもしっかり検討し、計画的に退職準備を進めましょう。