そうですね、私は元々脳外科病棟で働いていて、2020年の7月に病院からコロナ病棟を立ち上げると連絡がありました。その時に男性看護師をメインに仮病棟へ10人程度招集され、その後全職員に対して移行調査として「働きたい、働くことができる。働けない。」の3つから選んで回答するような運びでしたね。私の場合はコロナ病棟で働く気持ちとして、使命感が強くあったことに加え、興味関心もありました。少しばかり恐怖心もありましたが、「誰もコロナ病棟へ進んでいく人がいないなら、自分がやろう。」という気持ちでしたね。
コロナウイルスによる感染症拡大により、私たちの生活は大きく変化致しました。中でも医療の現場では、現在も緊迫した状況が続いており、リアルタイムで病院全体の感染対策や組織構築などが行われています。
テレビでは「夜勤帰りのタクシー乗車を拒否された。」「家族が身の狭くなる思いをしている。」などと報道され、医療職に対して世間の目が厳しくなったこともあるかと思います。
今回このMediLifeでは、現場で働く看護師の方々のリアルな話を伺い、精神面・経済面・私生活の3つの観点から生活の変化について伺っていきます。
他の看護師さんがどのような気持ちを抱きつつ仕事しているのか、他の病院の現状は一体どうなっているのかなど、参考にしていただけましたら幸いです。
今回の取材させて頂いた方は、北海道にお住まいの男性看護師Aさんになります。臨床経験9年目で、普段は脳外科病棟で働いていたところ、コロナ病棟への配属となりました。
今回の記事はインタビュー形式で作成しておりますので、下記インタビューの様子をどうぞご覧ください。
そうですね、私は元々脳外科病棟で働いていて、2020年の7月に病院からコロナ病棟を立ち上げると連絡がありました。その時に男性看護師をメインに仮病棟へ10人程度招集され、その後全職員に対して移行調査として「働きたい、働くことができる。働けない。」の3つから選んで回答するような運びでしたね。私の場合はコロナ病棟で働く気持ちとして、使命感が強くあったことに加え、興味関心もありました。少しばかり恐怖心もありましたが、「誰もコロナ病棟へ進んでいく人がいないなら、自分がやろう。」という気持ちでしたね。
そのような流れだったんですね。Aさんのとても勇敢な気持ちに、周りの看護師さんも勇気づけられたのではないでしょうか。 実際にコロナ病棟で働いてみて、気づいた点などはありますでしょうか。
仕事としたら、集められた看護師が臨床経験で中堅以上のスタッフのみだったので、とてもスムーズに行えた気がします。 ただシステム的なことでは、書類や人員配置など全体の流れが整備されていない部分が多く、とても困りましたね。スタッフ全員が応援体制で参加しているので、病棟間のやりづらさを感じることがありました。
急いで立ち上げた病棟なので、看護業務以外の事務的な部分でバタバタするのは確かに大変でしたね。
そうなんです。コロナ病棟でも患者も常にたくさんいたというわけでなく、患者が少ない時期もあり、その時は看護師が足りていない病棟へ応援に行くようなこともあるわけで、なんだか都合よく使われている印象を受けました。組織の人員配置は今後マニュアルや基準を決めて整備していったほうがいいのかなと感じましたね。
現場の動きには事務なども関わってきますもんね。コロナウイルスの感染よりも病院全体の整備が大きく問題として浮き出た瞬間ですね。 実際に病棟で働いている時、コロナウイルスへの恐怖心などは大きくなることなどありませんでしたか?
コロナウイルスの感染に対しては、働いている病院に感染管理認定看護師や感染管理室が手厚く関わっているんです。なので「この方々の言うことに従っておけば大丈夫だな。」と安心して仕事に取り組めましたね。
そうだったんですね。確かに感染管理を徹底している専門家たちの介入や助言がある環境はとてもありがたいですね。 次に経済的な部分で、話を伺えましたらと考えているのですが、給料や残業などに変化はありましたか。
残業に関して多くなることはなかったですね。どちらかというと患者が多くない場合は、残業は無くなり、普段の病棟に比べたら残業代分、給料が減った印象を受けています。ただ定時内で事務作業などの看護師業務以外をする時間は多かったです。 私が働いている病院では、危険手当が1日3000円出るとありましたが、これを受け取る基準があり、全員がもらえるわけではなかったです。コロナウイルス陽性患者の対応した場合のみ手当がつくので、もらえる人ともらえない人がいましたね。 賞与に関しては例年から変化なく頂くことが出来ました。ですが、来年度以降は減ると噂になっていて、少し不安な部分があります。
「新しく立ち上がった病棟で残業がなく仕事できているが、普段していた残業分がなくなり給料が減った印象がする。」と言うのは、変な感覚ですね。危険手当も現場で働く全員に平等につけばいいのですが、現場は難しいようですね。 私生活の部分で何か大きな変化はありましたか?
宴会や会食の制限は当然ありました。病院側からも注意喚起があり、コロナウイルスに感染したら間違いなく大事になってしまうので、今でも自粛して生活しています。自粛は強制ではないですが、医療者として我慢しないといけないですよね。 タクシーなどで乗車拒否は近くの病院スタッフであったと聞いたことがありますが、私の勤めている病院や、私自身には特にないですね。
タクシーの乗車拒否はとても悲しいですね。何か悪いことをしているわけでもなく、サービスを利用するときに引け目を感じるのはショックを受けますね。
そうですね、これからも風評被害が不安です。タクシーに限らず、例えば美容室などでも相手は職業を知っているわけで、こちらが気を使ってしまう部分が多くなりました。今後もこのような状況が続くと思うので、生活のしづらさは継続してしまう印象があります。
そうですね。やはりコロナ患者を対応しているとお互いに気を遣う部分も多くなると思うので、今後の世間的にも風評について良い整備がすすむと良いですよね。 最後になりますが、このメディアをみている看護師さんへ何か応援メッセージなどいただけますでしょうか。
そうですね。本当に皆さん大変な環境の中で、頑張ってるんだと思うんです。まずは自分の身の安全と健康を第一に考えていただいて、無理はして欲しくないなと思います。 現場で働いている看護師さんを本当に尊敬していて、どんな状況でも患者さんに必要なケアを提供しています。やはり今の医療を支えているのは、現場で働いている看護師です。コロナウイルスの流行で、先ほど話したように風量被害のリスクもあるかもしれないですが、今行っている看護は自分の人生で誇りに思えるので、胸を張ってこれからも一緒に頑張っていきましょうと伝えたいです。
ありがとうございます。今の医療を支えている看護師さんには本当に感謝が尽きないです。本当に自分の身体を大切にして、健康第一に生活して頂きたいです。 本日はお時間いただき本当にありがとうございました。
以上がインタビューの内容になります。いかがでしたでしょうか?最前線で働く看護師さんですが、まずはあなたの健康を第一に考え感染対策を徹底しつつ生活していきましょう。コロナウイルスの状況は永遠に続くわけではありません。いつか終息して元の生活に戻ります。
医療の最前線で活躍しているみなさんに本日も感謝を申し上げつつ、明日からも未来に向けて1つ1つ取り組んでいいきましょう。
こんにちは、医療系ライターのけいたです。(Twitter:https://twitter.com/keita_lfu/ )普段はwebクリエイターとしてweb関連のあらゆることを担当し活動しております。また、hospassというメディアを制作しており、医療職の多様性についてもお届けしております。
本日はインタビューにご対応いただき本当にありがとうございます。まず最初にお伺いしたいところが、コロナウイルス流行により精神的な変化について、伺わせていただいてもよろしいでしょうか。