「借金=悪」と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか?しかし、借金がすべて悪いというわけではなく、重要なのはその目的です。投資家や富裕層は、むしろ借金をポジティブにとらえている傾向があります。この記事では、資産形成の第一歩となる「良い借金」の考え方をわかりやすくお伝えします。
借金と聞いて、悪い印象を抱く人は多いでしょう。借金に悪いイメージがつきまとうのは、「借金で不幸になった」といったエピソードがメディアなどでよく取り上げられるからかもしれません。
しかし、そのエピソードをよくよく読み解いてみると、悪いのは借金そのものではなく、借金の目的だとわかります。
たとえば「ギャンブルがやめられず、多額の借金をしてしまった」「リボ払いで高額な買い物を続け、いつの間にか借金がかさんでしまった」といったエピソードがあります。このエピソードの問題点は、ギャンブルに依存してしまったことや、身の丈に合わない買い物で浪費を繰り返してしまったことです。
確かに借金は、ギャンブルや買い物依存などの問題行動を加速させてしまう傾向はあります。しかし、だからといって「借金=悪」と決めつけることは、資産形成の選択肢を狭めてしまうことになりかねません。
借金そのものが悪いのではなく、借金の目的が重要だと解説しました。つまり、まっとうな目的をもってする借金は、「良い借金」に該当します。
たとえば、個人が資産形成を目的としてお金を借りることや、企業が事業運営のためのお金を借りることなどが「良い借金」といえるでしょう。「良い借金」は、社会を成り立たせている仕組みの1つともいえます。
個人の場合、お金を借りて投資し、投資した金額以上のリターンを受け取ることができれば、生活がより豊かになります。企業の場合、お金を借りて事業を行い、十分な利益が出れば、事業をさらに成長発展させていくことができます。また、商品・サービスや雇用機会を世の中に提供することにもなります。
「良い借金」は、借りた金額以上のメリットを個人や企業にもたらす可能性を秘めています。「良い借金」の持つこのような性格を「レバレッジ」と呼びます。
レバレッジとは、「てこの原理」のことです。てこを使うと、小さな力でも大きなものを動かすことができます。これを資産形成に当てはめると、小さな元手でも、大きな資産を形成できるという意味になります。
「良い借金」でレバレッジを効かせることで、元手を効率的に増やし、資産形成のスピードを上げられる可能性が高まるでしょう。
代表的な事例が、不動産投資です。不動産投資では、不動産を所有して第三者に貸し、家賃収入を受け取ります。不動産を所有するためには多くの場合、数百万円から数千万円の元手が必要になります。それだけのお金を自分でゼロから貯めようとすると、数十年かかってしまうことも。
しかし、銀行から融資を受ければ、すぐにでも不動産を所有することができます。借りた金額は、受け取った家賃収入から返済します。返済が終了すれば、その後は家賃収入を丸ごと受け取れます。
このように、「良い借金」を使えば、元手を貯めるためにかかる時間を短縮できます。そのため、「良い借金」でレバレッジを効かせることは、「時間を買う」と表現されることもあります。
「良い借金」ができるかどうか、つまり銀行から融資を受けられるかどうかは、個人の属性によって変わってきます。融資の審査では、仕事が安定しているか、継続的な収入が見込めるか、問題なく返済できるかといった点をチェックされるからです。
医療系専門職である看護師の仕事は、高年収で安定しており、社会的な信用も高く、いわゆる「高い属性」と銀行に判断されます。看護師の持つ信用力を活かせば、「良い借金」でレバレッジを効かせ、効率的な資産形成を目指すことも可能です。
「借金=悪」という考え方にとらわれていると、柔軟な発想ができなくなり、資産形成の選択肢も狭まってしまいます。
あくまでも目的が重要であり、悪い借金もあれば良い借金もあるということを、よく理解しておくことが大切です。必要に応じて融資を賢く活用し、不動産投資などさまざまな投資方法に目を向けながら、自分に合った方法で資産形成を目指しましょう。