2021.6.21
特集

私たち看護師こそ積極的に投資をしよう!


自己紹介

 私は小栢ユリと申します。投資歴はおよそ3年で30代半ばの看護師です。小児科病棟、訪問看護などを経験し、現在は家族が経営する福祉施設で勤務をしています。
私の資産運用は新卒からおよそ10年間現金貯金のみでした。今思えばこれは大誤算でした。貯金は自分が積み立てた分しか増えません。
もし、私が10年前の自分に会えるのであれば「今すぐ投資を始めなさい。」と伝えているでしょう。投資は積み立てたお金が自ら働き勝手に資産を増やしてくれるからです。
なぜ、私が看護師の皆様にここまで投資をお勧めするのか、以下において詳しくご説明します。
 

1.手に職は安心!女性でもしっかり稼げる看護師の仕事!

 看護師は、病気の人の身体と心のケアに携わり患者さんのみならず、ご家族からもたくさんの「ありがとう」をもらうことができるやりがいのある仕事です。さらに、国家資格でもあるため、社会的信用度が非常に高い仕事の1つです。
また病院や施設、クリニックは全国各地にあるため、何らかの事情によって住まいの場所が変わったとしても転職先は比較的容易に見つけることができるのが特徴です。
 多くの女性は、結婚や出産などをはじめとしたライフプランの変化によってキャリア変更をせざるを得ないことも少なくはありません。
もちろん多くの看護師は女性ですので同様にライフプランの変化は否めませんが、専門職という強みもあるため資格を生かし、ブランクにかかわらず気持ち次第で社会復帰も可能です。
また働き方の選択肢も多くあります。病院の正社員だけではなく派遣やパート、応援ナースなど自分の置かれている環境や希望に合わせて選んで働くこともできます。
一般的なアルバイトに比べて時給も高いので、短時間しか働けなくとも効率よく稼ぐこともできるのです。

2.看護師は高給取りって本当?

「看護師だから給料たくさんもらえていいよね・・」
看護師をしていると誰もが言われた経験がある言葉なのではないでしょうか?
仕事の大変さはさておき、『看護師=高給取り』という世間が抱く一般的なイメージが独り歩きしていそうですね。
果たして看護師は本当に高給取りなのでしょうか?実際に検証をしてみましょう。
 2018年日本看護協会のデータによると、病棟で働く大卒看護師の月額基本給の平均は20万6608円です。諸手当諸々含んだ税込み給与の平均は27万1381円となっています。一方、大卒の新卒会社員の初任給の平均はどうでしょうか?厚生労働省が提示した2019年のデータによると、男性新卒会社員は21万1000円、女性新卒会社員は20万2600円となっています。
月額基本給はさほど変わりはありませんが、夜勤手当や資格手当などが含まれる分一般的な大卒会社員より看護師の方が高給取りであると分かります。
次に平均年収を比較してみましょう。年収ガイド2019年のデータを参考にすると、女性看護師の平均年収は481万円です。男性会社員の平均年収は545万円、女性会社員は293万1000円です。このデータをみると男性会社員より看護師の方が平均年収は劣りますが、女性会社員と比較をすると、およそ200万円高いということがわかります。
 

 

3.看護師は一生でいくら稼げるの?

皆さんは看護師が一生涯にどれだけ稼ぐことができるか考えたことはありますか? なかなか生涯賃金を調べたり考えたりする機会は少ないかもしれませんね。
多くの方が、「なんとなく一生看護師を続けていくのだろうな。」と考えているかと思います。
 生涯賃金の算定は22歳から59歳までのトータル賃金の総額です。年収ガイド2015年のデータによると男性看護師の生涯賃金は1億9793万400円、女性看護師は1億8759万2500円となっています。
 それでは、大卒会社員の生涯賃金の平均はどうなのでしょうか。男性の場合、2億6220万円、女性は1億9890万円とされています。
以上のことから、新卒時においては大卒の会社員より看護師の方が平均月額給与も年収も高いといえますが生涯賃金を加味すると看護師より大卒会社員の方が男女共に収入は高いという結果になります。
 つまり、看護師の収入は生涯ベースで考えると決して「高給取り」の仕事ではないのです。

 4.若いうちから将来への備えを

 私たちの生活とお金は切っても切り離せない関係です。日本は世界トップクラスのご長寿国大国です。そのため、年々社会保険料は増える一方で高齢者を支える現役世代の負担は重くなりつつあります。加えて、現在の現役世代がもらえる年金の金額は不透明です。
 現役世代の多くの方が漠然とした不安を感じているのではないでしょうか。よく将来に備えて「貯金をしている」と聞きますが、ベストな選択だとは思えません。1990年頃の日本は預貯金の金利はおよそ8~9%を超えているものがありました。つまり銀行に1000万円を預けているだけで年間70万円から90万円利息がついたのです。
 しかし、その高金利も今となっては過去の話です。現在の国内大手金融機関の定期預金の金利は0.001%という超低金利です。1000万円を預けたとしても利息は200円程度しかもらえません。
金利が高い時代は、まとまったお金さえあれば銀行に預けるだけで誰もがお金を増やすことができました。昨今は、自分で考え自分で効率的に増やす、そんな時代に変わったのです。
 手に職があり、安定的に働く先が見つかりやすいのが看護師の強みです。働く場所には困らないかもしれません。しかし、40代、50代と年を重ねていくにつれて20代と同じ馬力を出して一線で働き続けることができるでしょうか?
 体力勝負の看護師であるからこそ、若いうちから将来への備えが求められているのです。

5.投資をするという選択肢を考えてみる 

 投資とは成長する資産(株式、債券、不動産など)にお金を回し元手を増やす行為をいいます。投資先の会社や国の成長にお金を投資して、その成長の対価として投資家が利益を受け取ることができます。
投資には「リスク」がつきものです。「リスク」という一般的な意味合いは「危険」を伴う環境やモノ、事柄を想像してしまいますが投資の場合はリターンの振れ幅のことをさします。
 資産形成を行う場合、預貯金と投資ではどちらの方が効率よくお金を貯めることができるのでしょうか?一例として、毎月の積立を銀行預金で行う場合と投資信託で行う場合で比較して考えてみましょう。
 まずは預貯金です。国内の大手銀行の金利は0.001%なのでそれを基準にリターンを考えます。30歳の看護師が定年退職をする65歳まで毎月3万円ずつ35年間積み立てをした場合、その総額は1260万2200円になります。
金利を考慮せず計算をすると、積立総額は毎月3万円×12か月×35年=1260万円となります。金利で得た金額は1260万2200円−1260万円=2200円です。
 それでは積立型の投資信託はどうでしょうか?一般的に投資初心者が目指す目標年間金利は3%~5%と言われていますので3%で計算をし、毎月3万円×12か月×35年の積立総額は2223万6919円となります。
 投資を行い資産形成した方が1000万円も多く貯めることができるのです。

6.まとめ

 看護師は患者さんに寄り添い、心と身体の健康を支えるとてもやりがいのある仕事です。若いうちは仕事に集中し、バリバリと稼ぎキャリアを積み重ねていくことも自分の未来への投資であることは間違いありません。
現代の日本社会では今もなお家事や育児、介護などをはじめとした家庭の仕事全般は女性が中心となって担われています。
残念なことでもありますが、パートナーの転勤や出産、身内の介護などによって思い描いていたキャリア以外の道を歩む可能性は誰にとっても起こりうることです。
 生活とお金の関係は、切っても切り離せない問題です。
 看護師の皆さん、資産運用は貯金だけではありません。投資する選択肢があることも考えてみてください。
 

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