昨今の情勢で、転職を考える看護師が増えてきています。しかし、焦って転職してしまうと、収入や待遇、やりがいなどさまざまな面で、あとから後悔してしまうことも。今回は、転職を決意した看護師が、転職で失敗しないためのコツをわかりやすく解説します。
「せっかく大病院に入ったけど、忙しすぎる。もう少しゆったり患者さんと向き合う時間がほしい」
「人間関係がストレス。自分に合った職場に転職したい」
「一通り仕事を覚えてしまったので、違う分野にチャレンジしたい」
看護師が転職を目指す理由はさまざまです。どんな理由にしろ、看護師はどこにいっても引く手あまたです。よほど厳しい条件を設けない限り、転職先が見つからないということはありません。
しかし、だからこそ焦って転職しないよう注意が必要です。
たとえば、給料よりやりがいを求めて転職したけど、生活が苦しくなってしまったり。給料の高さを重視して転職したら、想像以上に肉体労働が多く、消耗してしまったり。未経験の分野にチャレンジしたものの、イメージしていた仕事内容と実際の仕事内容が違っていて、ストレスがたまったり。
看護師の転職の失敗談は、数えきれないほどあります。こういった失敗を防ぐため、転職前にきちんと自己分析や情報収集を行い、慎重に転職先を見極めましょう。
続いては、転職を決意してからの行動を3つのステップに分けて解説します。それぞれのステップ別に、転職先選びを成功させるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
転職を決めたら、まずは転職理由を自分なりに分析しましょう。
たとえば「給料が低いから転職したい」という場合は、具体的にどのくらいの給料があれば希望通りの生活が叶うのか、生活費を計算してみましょう。また、「やりがいのある仕事がしたい」という場合は、自分がどんな瞬間にやりがいを感じるのか、過去の経験を振り返る必要があります。
転職理由が曖昧なままだと、表面的な条件で転職先を決めることになり、あとで「こんなはずじゃなかった」という後悔がわきやすくなります。逆に転職理由を明確にすれば、自分の軸がわかるため、希望通りの転職先に出会える確立が格段に上がるでしょう。
転職理由がわかったら、続いて条件をリスト化していきます。まずは頭に思い浮かぶままに、仕事内容や働き方、給料に関する条件を書き出してみましょう。
仕事内容に関しては、「患者さんとコミュニケーションをとる時間がある」「スキルや経験が身につく」「未経験の分野」などがあります。
働き方に関しては「夜勤なし」「シフト勤務」「通勤時間は〇分以内」、給料に関しては「給料は〇万円以上」「社会保険あり」「通勤手当あり」などがあるでしょう。
最初はあまり条件をしぼらず、幅広く書き出してみることが大切です。
条件を一通り書き出したら、優先順位をつけていきます。「こうだといいな」という感覚より、「こうだといやだな」という感覚を判断基準にしましょう。
条件に優先順位をつけたうえで、「これは絶対に譲れない」「場合によっては譲ってもいい」「あまり気にしない」など、自分なりに線引きをしましょう。
こうすることで、転職先を選ぶ時、あれこれ目移りせず明確な判断基準を持つことができます。
転職先を決める時は、家族や恋人、友人など身近な人の意見を参考にすることも大切です。すべての意見に耳を貸す必要はありませんが、周囲の人は、あなたが気づいていない一面に気づいているかもしれません。
「こういう時、あなた生き生きしているよ」と教えてくれたり。「前の職場で、ここが嫌だって言ってたね」と忘れかけていた記憶を思い出させてくれたり。
転職は人生における重要な意思決定です。周囲にも相談しながら、最後は自分で後悔のない選択をしましょう。