あなたの職場に既婚の看護師はどれくらいいますか?一般的な女性に比べると少ないかもしれません。実際に、看護職の未婚率は高いのです。独身の人の中には、将来を不安に思う人もいるでしょう。リタイア後の「おひとりさま世帯」はどのようなお金のやりくりをしているのでしょうか。
厚生労働省が2005年にまとめたデータによると、結婚していない人の割合は35歳から39歳の一般女性が18.4%。一方、同じ世代の看護師は35.9%、3人に1人が未婚という状況です。40歳から44歳では一般女性の12.1%、看護職の21.2%が結婚していません。アラフォー世代の未婚率を見ると、看護職は一般女性の2倍近くにもなるのです。
このデータで未婚率は、20歳から59歳のどの世代においても、看護職が一般女性を上回っています。
不規則な生活に出会いのない職場、たまるストレス。結婚にたどり着く相手がなかなか見つからないのも無理はないかもしれません。
そのうちなんとかなると思っている人もいるかもしれませんが、ずっと独身のままという状況も考えておく必要があるのではないでしょうか。
独身をつらぬく女性は増えています。生涯未婚率とも呼ばれる50歳時点の未婚率は、上記の調査があった2005年における一般女性が7.3%です。これが10年後の2015年には14.1%と、ほぼ倍増しています(厚生労働省「平成29年少子化白書」より)。
一般女性の生涯未婚率は増える傾向にあります。結婚しない人の割合が高い看護職は、より「おひとりさま老後」になる可能性が高いといえます。
結婚したいのであれば、幸せな家庭を築くに越したことはありません。しかし、万が一ずっと独身だった状況も一応は想定しておいたほうが安心です。そもそも、ひとりのままで何も問題ないと考える人もいると思います。比較的高収入の看護職ではなおさらではないでしょうか。
高齢者のひとり世帯は一般的にどのようなフトコロ事情なのか、見てみましょう。
まずは収入から。厚生労働省の「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給額はひとりあたり平均14万4,903円です。
支出のほうはというと、60歳以上女性は平均14万8,358円です(2017年総務省家計調査)。
数字だけ見ると、トントンか少し赤字というところです。皆さんうまくやりくりしているのでしょう。逆をいえば余裕がない状態でもあります。今かかっている生活費と比較してみてください。退職後はだいぶ切り詰めていく必要があるかもしれません。
もし体の具合が悪くなって介護が必要になったり、住み替えが必要になったりしたら貯金を取り崩すことになります。人生100年時代といわれる中で、安心して日々を送ることができるでしょうか?
先ほど月間支出の総額を挙げましたが、特に注目してほしいのはそのうちの住居費です。月に1万6,196円と少額なので、あまり目立たないかもしれません。しかしこの世代の持ち家率は85.2%。ほとんどがマイホームに住んでいるのです。賃貸住宅に住み続ける人は家賃を考慮する必要があるでしょう。
もし人に貸すタイプのワンルームマンションを所有していれば、賃貸することで生活費の足しになります。または自分で住むのもよいでしょう。仮に30代のうちに新築で買っておけば、年金生活に入る頃までにローンを完済することができるはずです。お金を生む「打出の小づち」となるか、ついのすみかとなるか。どちらになるかは状況によりますが、このような「資産」があったほうが安心できるということはいえます。
未婚率の高い看護職は、生涯独身のままでいることを可能性として考えておく必要があります。統計的に年金生活は若干の赤字です。この状況で資産としてマンションを持っておくことは、老後の安心につながります。